ここ数年でビジネスシーンにおけるカジュアル化が進み、ノーネクタイのスタイルが定着してきています。
そんな今だからこそ、あえてドレスアップするスタイルには価値があります。そして、ネクタイは相手に信頼感を与えるにはとても重要なアイテムです。
ネクタイのデザインはときに印象を左右するものにもかかわらず、どうしてもネクタイコーデはマンネリしがち。今回はネクタイにはどんなバリエーションがあるかといった基本的なことから、ネクタイコーデをおしゃれに楽しむコツまでを紹介します。
ネクタイの選び方・ポイント
では、いったいどのようにネクタイを選べば良いのでしょうか?
売場にはたくさんのバリエーションのネクタイが並んでいるので迷ってしまいますよね。
ネクタイ選びにおける基本的なポイントはたった4つです。
1.幅を合わせる
まず重要なのが、「ネクタイの大剣とジャケットのラペルの幅を合わせること」です。
ネクタイの大剣とはネクタイの先の太い方、ジャケットのラペルは下襟を指します。ラペルが細ければ細めのネクタイを、ラペルが太ければ同じくらいの太さのネクタイを選ぶようにしてください。
具体的には基本的な幅は7~8.5センチ。細いもので5~6センチ、太めのものは9~10センチが目安となります。
クラシック回帰のトレンドもあり、2024年は9センチ幅のものが注目です。
2.素材を合わせる
次に、「素材」に注目します。
スーツやジャケットとネクタイの素材を揃えると、統一感と安心感が生まれます。この点を意識するだけで相手に「おしゃれに慣れた人」という印象を与えることもできます。
例えば夏場の薄手の素材のスーツには爽やかな素材感のリネンのネクタイを、冬場の暖かみある素材のスーツにはウールのネクタイを合わせる、というように。
プレゼントで選ぶ場合は、一般的なシルクの平織り生地のネクタイを選ぶと間違いがないでしょう。
3.色が与える印象を考える
これはネクタイに限ったことではありませんが、着用している色は周囲に心理的な影響を与えると言われています。それぞれの色が持っている印象を上手に取り入れることで、自分自身がなりたいイメージに近づきやすくなるのです。
暖色系のレッドやピンク、オレンジなどは「情熱的」「活動的」といった印象に、寒色系のブルーやグリーンは「冷静」「知的」のような印象を与えることができます。さらに、紫などの中間色は「協調的」といった印象になります。
柄の中に白が混ざると、全体の印象をより「軽やか」「優しい」方向に導いてくれます。
4.柄が与える印象を考える
ネクタイの柄として真っ先に思い浮かぶのはストライプ柄(レジメンタル)、という方も多いのではないでしょうか。
しかし、実際にはネクタイには様々な柄があしらわれています。色と同じように、柄にもそれぞれに相手に与える印象があります。その日に会う相手に合わせて柄を変えたり、1日をどう過ごしたいかというイメージを持って柄を選んだりすることをおすすめします。
プレゼントする場合には、相手の印象に合った柄を選ぶといいでしょう。
詳しくは後述しますので、そちらを参考にしてみてください。
ネクタイをおしゃれに楽しむためのコツ
「ただ何となく」とか「しかたなく」ネクタイを着用している方も、ここでお伝えするコツを意識するだけでネクタイに対する考え方が変わると思います。
きちんと結び目を作る
実はネクタイの結び方(ノット)にはいくつかの種類があります。前述したネクタイの幅とジャケットの下襟の幅の関係と同じように、シャツの襟(カラー)の形によって結び方を変えるのが基本です。レギュラーカラーにはプレーンノット、ワイドカラーにはウィンザーノットのように。
また、結び目の真下にディンプルというくぼみを作ることでネクタイが立体的に美しく見え、Vゾーンに奥行きを与えます。
ディンプルは装飾的な意味合いもあり華やかさを創出するため、必ず意識するといいでしょう(注意:弔事の場面では避けてください)。
適度な長さを意識する
ネクタイを着用した際に、ベルトのバックルの半分を隠すくらいの長さになっていることが最もバランスの良い位置とされています。
バックルを完全に隠し、さらにそれ以上に長い場合はだらしない印象を与えてしまいます。逆にバックル上のシャツが見えるほど短い場合、どこかコミカルな印象になります。
どちらもビジネスシーンにおいてはマイナスイメージにつながってしまうので、ネクタイの長さも意識してください。
標準的な体系の方であれば、長さ155~160センチ程度を購入時の目安にしてください。
トレンドを取り入れる
ネクタイにもトレンドがあります。
と言ってもネクタイ単独のトレンドではなく、スーツのトレンドと連動していることがほとんどです。
そこまで意識できない、という方はシーズンのトレンドカラーだけでも注目してみるといいでしょう。
ずばりトレンドカラーである必要はありません。柄の一部に使われているといった程度で構いませんので、「今何を取り入れれば良いか」を意識するだけでネクタイをもっとおしゃれに楽しむことができるでしょう。
《年代別》おすすめブランド15選
ひと口にネクタイと言ってもデザインの傾向と価格帯はブランドによってまちまちです。
それぞれの年齢層にふさわしいと思われるネクタイブブランドを紹介していきましょう。
10代・学生
Cricket (クリケット)
1960年に服飾品メーカーが始めた服飾雑貨ブランド。紳士服の本場であるイタリアから得た知識を日本に持ち帰って生産し始めたネクタイが人気を集めました。比較的オーソドックスなデザインを展開しています。
FAIRFAX COLLECTIVE (フェアファクス・コレクティブ)
1976年、東京・青山に創業して以降、百貨店やセレクトショップで高い評価を得ているブランド。アメリカントラッドをベースとしながら様々なネクタイスタイルを提案しています。これまでにヨーロッパのネクタイブランドを積極的に日本に紹介してきました。
TAKEO KIKUCHI (タケオ・キクチ)
1984年に菊池武夫氏が創立したファッションブランド。日本人で初めてパリにメンズラインのお店を出したことでも有名です。1980年代に起きたDCブランドの流行で人気を得てから、今日に至るまで多くの男性に支持され続けています。
20代
Paul Smith (ポール・スミス)
1970年、ポール・スミス氏がイギリスのノッティンガムにてわずか3m×3mの小さなショップからビジネスをスタートしたブランド。多岐にわたるインスピレーション源から着想されたデザインは、ポール・スミス氏の性格を表すかのようにユニークでカラフルなものが豊富に揃っています。
ROBERT FRASER(ロバート・フレイザー)
大手セレクトショップのオリジナルタイも手掛けるブランド。トレンドをさりげなく取り入れ、時代にあった大人のドレススタイルに合う本物のネクタイを提案し続けています。原料はシルクの中で最上級とされる6A規格を用い、この原料を海外ではイタリアのコモ、国内では山梨の富士吉田や京都の西陣など世界的にも有名な産地にて生産。最上級の生地の美しさを生かし、柔らかな質感を生むため、国内の熟練職人が一本一本手作業で縫い上げています。
Drake’s (ドレイクス)
1977年にマイケル・ドレイクによって設立された、イギリスのブランド。もともとはハイクオリティな服飾雑貨小物を中心にスタートし、現在ではネクタイとシャツの英国に残る数少ないファクトリーブランドのひとつとしてその地位を築いています。
30代
Brooks Brothers (ブルックス・ブラザース)
1818年、ニューヨークに1号店を開業して以降、200年以上にわたって変わらぬ価値と伝統を守り続けているトラッドブランド。その存在はアメリカの象徴と言っても過言ではないでしょう。英国式のレジメンタルストライプの縞模様を反転させたのはブルックス・ブラザースとされています。
DANIEL WELLINGTON(ダニエル・ウェリントン)
ミニマルでエレガントな時代を超越したデザインと、日常の中で感じられる “手の届く贅沢” を届けるブランドとして誕生。ネクタイにチーフとタイバーがセットになったアイテムは何かと重宝。洗練されたミニマルでデイリーなスタイルを提案しています。
BEAMS(ビームス)
言わずと知れた老舗セレクトショップ「BEAMS」。オリジナル&国内外のブランドを取り扱い、アパレルから雑貨まで幅広いアイテムをラインアップ。カジュアル、ラグジュアリーなど様々なテイストに対応する豊富なレーベルも魅力的。「BEAMS」ならではのセンスが光るネクタイも多彩に揃っています。
40代
dunhill(ダンヒル)
創業は1880年。イギリスを代表する、歴史あるラグジュアリーブランド。機能性と高級感、そしてイギリスらしいユニークさを兼ね備えたメンズウェアをはじめ、バッグ、アクセサリーまで幅広く展開するトータルブランドとして、世界で愛され続けている存在です。
EMILIO PUCCI (エミリオ・プッチ)
1947年にイタリアはフィレンツェにて、バルセント侯爵エミリオ・プッチにより創業。鮮やかで斬新な色使いが特徴的なプリントは地中海の風景にインスパイアされ、1960年代にアメリカの富裕層を中心に人気を博して以来、自由と自信、エネルギーと存在感を具現化したスタイルを提案し続けています。
Zegna (ゼニア)
1910年にエルメネジルド・ゼニア氏により、もともとはテキスタイルメーカーとして北イタリアのピエラアルプスで創業されたスーツブランド。イタリアならではのクラシックさとモダンさを兼ね備えたデザインは落ち着いた大人っぽさがあり、とても魅力的なブランドのひとつです。
50代以上
Salvatore Ferragamo(サルヴァトーレ フェラガモ)
創業者のサルヴァトーレ・フェラガモは1898年イタリア、ボニート生まれ。幼い頃から靴屋で働き、16歳でアメリカに渡ります。マレーネ・デートリッヒ、キャサリン・ヘプバーン、イングリッド・バーグマンらを顧客にし、名声を高めた後、イタリアに戻り1927年にフィレンツェで開業。“天才的な靴職人”としての揺るぎないクオリティをベースに、現在ではファッションアイテ ムをトータルで展開。世界的なブランドとして確固たる地位を築いています。
LUIGI BORRELLI(ルイジ ボレッリ)
1957年創業、イタリアはナポリの老舗カミチェリア「LUIGI BORRELLI」。平面的で硬い縫製のシャツしかなかった時代に、人体を徹底的に研究し、手仕事を取り入れることで、最高の着心地のシャツを完成させたブランドです。1980年には、世界で最も有名になったそのシャツに合わせるためのネクタイも展開。その後、スーツ、ジャケット、ボトムス、ニットウェア等にも着手し、トータルラグジュアリーブランドとしてワールドワイドにその名を馳せています。
ETRO (エトロ)
もともとはインドのカシミール・ショールの伝統的な模様を再現したいという目的で、テキスタイルメーカーとして1968年にイタリア・ミラノで創業。エトロがこの模様を「ペイズリー」と呼んで以来、一般的に定着したのです。その歴史を表すように、個性的なプリントや織り柄がラインアップされています。
人気のネクタイの選び方《柄・デザイン編》
ここからは具体的におすすめネクタイを紹介していきます。
まずは柄・デザインから。代表的なバリエーションを見ていただきましょう。
ストライプ柄(レジメンタル)
ネクタイの柄で一番ポピュラーであると言えるのがストライプのネクタイです。ストライプのネクタイは実直で真面目というイメージがあります。
普段何げなく目にしているストライプ柄ですが、大きく分けて2つの種類があり、正面から見たときに右上がりになっているのが「英国式」、右下がりになっているものが「米国式」と呼ばれています。
英国式のストライプは、もともとイギリス軍がそれぞれの連隊ごとに色やデザインの異なるストライプを作り、所属先を表していたことが起源とされています。右上がりの英国式をレジメンタルと呼ぶのは、連隊(レジメント)に由来しています。
ストライプの幅や使われている色数によって印象が変わってくるため、初心者はストライプの幅が太くなく、色数が少なめのネクタイを選ぶといいでしょう。
小紋柄
花柄、菱型、紋章などの小さなモチーフが等間隔で全体に配置されているデザインは、日本では「小紋柄」と呼ばれています。
上品で知的なイメージがあり、クラシックでエレガントな印象を与えるので、ビジネスシーンはもちろんフォーマルな場面に最適な柄です。
控えめな柄から大胆な柄まで、デザインのバリエーションが豊富にあります。小さなモチーフはかっちりした印象に、モチーフが大きくなるほどドレスダウンした印象になります。
スーツやジャケットの柄と被ることがなく、ストライプのスーツに合わせることもできるため、柄物の中では非常に守備範囲が広いデザインと言えます。ただし、千鳥格子やバーズアイのスーツに合わせると、ややうるさい印象になってしまうので避けたほうがいいでしょう。
ドット柄
ドットは規則的な柄なので、真面目で上品な印象を与えてくれます。中でもドットが小さいピンドットはフォーマルなシーンでの着用が推奨されるほどの格式もあります。
ビジネスシーンでも使えますが、柄の大きさには注意が必要です。小さめであれば全く問題ありませんが、大きめのドットはとてもポップな印象になってしまいます。ビジネスシーン用は1~5ミリがおすすめです。
ホワイトのドットであれば、ベースカラーがある程度華やかであっても品よくまとまります。ビジネスであれば濃色を、カジュアルジャケットに合わせるならば中間色、パーティーなどフォーマルな場面では淡いカラーを選ぶといいでしょう。
チェック柄
チェック柄は親近感を感じさせる心理効果があると言われています。ビジネスシーンにおいてはこの効果に期待したいところですが、実は少し注意が必要です。
もともとカントリー由来の柄も多く、また色柄の組み合わせに自由度が高いため、デザインの中に色数が多いとカジュアルな印象が強くなってしまいます。
スーツに合わせる場合はできるだけ落ち着いた色合いで色数が少なく、柄はグレンチェックに近いものがおすすめです。それ以外はビジネスカジュアルなどのより自由度の高いコーディネートで使うといいでしょう。
思い切ったカジュアルコーデならば、夏はマドラスチェック、冬はタータンチェックが季節感の演出に役立ちます。
ペイズリー柄
勾玉や涙の形のようなデザインは、もともとは曲線と草花をモチーフにしています。目を引くデザインが多いのでカジュアルなものとされがちですが、クラシックな柄で格調高い印象となります。
他の柄と異なり、独特の不規則さがあることから「コーディネートが難しい」「派手すぎる」と感じて敬遠している方も多いようです。ペイズリー柄は無理に全体の調和を求めず、あえてネクタイを際立たせることができる柄。他のネクタイ以上に華やかさや洒落っぽさを演出することができるのです。
ただし、ビジネスシーンではチェック柄同様に落ち着いた色合いと絞り込まれた色数のものを着用するように心がけてください。
プリント柄
生地の織り(糸の交差)で柄を表現する手法に対し、生地にプリントを施すことで柄を表現しています。織り柄よりもデザインの自由度が高く、細かいディテールや複雑なカラーの組み合わせを表現することができます。
発色の良さが特徴で、コーディネートにおけるアクセントとしての役割が強くなるため、エレガントさや遊び心を大胆に演出することができます。
ソリッド
最もコーディネートしやすく、汎用性が高いのが無地(ソリッド)のネクタイ。そして、どんなアイテムであっても、ビジネスの世界では柄や装飾がないほうがドレッシーとされています。
「無地は地味」と考えている方も多いと思いますが、地味に感じるのは無地であることだけが理由ではありません。スーツの柄やシャツの襟の形、全体の配色といったものすべてが関係するので、全体をしっかり見てネクタイを選ぶとバランス良くまとまります。
ネイビーカラーのソリッドタイは必ず持っておきたいネクタイです。ネイビーのタイはいろいろなスーツの色に合わせられるため、ソリッドタイに限らずネクタイ選びのメインカラーとして考えるといいでしょう。
人気のネクタイの選び方《カラー編》
ネクタイの色を選ぶ際には、スーツやシャツとの相性、着用シーン、個人のスタイルに合わせて選ぶことが重要です。
色が与える印象や、ふさわしい場面などとともにおすすめを紹介していきます。
ブルー系
まず、ネイビーは落ち着き、信頼、誠実さを感じさせることができます。フォーマルで、プロフェッショナルなイメージを与えるため、好印象を得やすい色です。
ビジネスミーティング、面接、フォーマルな会合など、どのシーンでも堅実さや信頼感を演出したい場面に最適です。
ライトブルーからスカイブルーの淡い色はフレッシュさ、若々しさ、開放感を感じさせます。ネイビーに比べて軽やかで、爽やかな印象を与えるため、親しみやすさも強調できます。
カジュアルなビジネスミーティングや、軽やかな雰囲気が必要な場面に適しています。夏場に着用すると涼しさを演出することもできるでしょう。
シルバー・グレー系
シルバーは高級感と洗練された印象を与えます。シンプルでありながらも上品な輝きがあり、スタイリッシュな印象を持たせることができます。
ビジネスシーンでも信頼感を強調することができ、結婚式やフォーマルなパーティーに非常に適しています。
グレーはネイビーやブラックのスーツと合わせるとバランスが良く、スマートなコーディネートが完成します。
知的で冷静、穏やかな印象を与えます。中立的でありながらもスタイリッシュなイメージを作りやすい色のため、オフィスでの日常業務や、フォーマルだが落ち着いた雰囲気のビジネスミーティングにおすすめ。誰にでも好印象を与えやすい色です。
ブラウン系
ブラウン系は暖かみと落ち着きを与える色で、カジュアルなビジネスシーンおすすめです。穏やかで親しみやすいイメージを作りたいときに使うと良いでしょう。濃色は秋冬の季節感を表現する際にとても役立ちます。
ベージュやオリーブ、またはグレー系のスーツに合わせると、優しさを感じるスタイルに仕上がります。
特にベージュはナチュラルで控えめな印象を与え、スタイルに柔軟性を持たせつつも、上品で洗練された雰囲気を作り出すことができます。特に春夏に、軽やかさを演出したいときにおすすめです。
無地のベージュはフォーマルな印象が強く、シンプルで洗練されていますが、チェックやストライプなどのパターンがあるベージュは、カジュアルで柔らかい雰囲気を与えます。場面に応じて柄を選ぶと良いでしょう。
レッド系
レッドは力強さや情熱を表す色。重要な会議やプレゼンテーションなど、注目を集めたい場面やリーダーシップや積極性を感じさせることができます。自分の意志を強くアピールしたい場面に適しているため、歴代のアメリカ大統領が演説時に好んで着用していることをご存知でしたか?
ネイビーやグレーのスーツと合わせると、落ち着いた印象ながらもポイントを抑えたスタイルに仕上がります。
ピンクのネクタイは、親しみやすさとエレガントさを兼ね備えた非常に魅力的なアイテムです。ビジネスシーンでの柔らかな印象作りや、フォーマルな場面での華やかさを演出したいときにぴったりです。
また、春夏の季節感を取り入れるのにも最適なカラーで、一本持っておくと様々な場面で活躍するでしょう。
イエロー・オレンジ系
イエローは明るく、親しみやすい印象を与える色です。元気さや創造性を表現したい場面でおすすめです。人を元気づける効果があり、オープンな雰囲気を作りたいときに適しています。
創造的なプロジェクトの会議や、カジュアルなビジネスシーンで使うと良いでしょう。柔らかい色味なら、フォーマルなシーンにも取り入れやすいです。
オレンジのネクタイは、エネルギッシュで活気のある印象を与える一方、温かみや親しみやすさも兼ね備えたカラーです。
他のビジネスカラーに比べて少し目立つ色であり、独自性や個性を強調することができます。ビジネスシーンでは無地や控えめな柄、カジュアルなシーンでは大胆なデザインが合います。
ホワイト系
ホワイトは清潔で純粋な印象を与える色です。誠実さや清廉なイメージを強調したい場面で効果的です。また、クリーンでシンプルな色のため、格式のある場面で上品で洗練されたスタイルを演出できます。
ホワイト系のネクタイは、素材感が際立つため、選ぶ素材がスタイルに大きく影響します。シルクやサテンのホワイトネクタイは光沢があり、非常にフォーマルでエレガントな印象を与えます。一方、リネンやコットンのホワイトネクタイは、よりカジュアルで軽やかな雰囲気を作り出します。
また、無地や配色のない柄はフォーマル感が協調されるため、ビジネスシーンではストライプやドットなどの控えめの柄を選ぶといいでしょう。柄の一部にホワイトが使われているものであれば爽やかさの演出にもなります。
人気のネクタイの選び方《素材編》
同じ柄のネクタイであっても生地の素材によってかなり表情が変わってくるものです。
ここでは代表的な素材と、それぞれの特長が活かされているデザインを紹介します。
シルク
シルクはネクタイの素材として最も一般的です。
美しい光沢としなやかさが一番の特徴で、高級感があり、上品な印象のVゾーンを創出できます。
ビジネスからフォーマルシーンまで幅広く対応できます。特に冠婚葬祭などの正式な場でのネクタイはシルクに限ると言ってもいいでしょう。
また、シルク素材のもうひとつの特徴は、復元力です。一日中ネクタイを締めていると、外した際に結んでいた箇所にシワが寄ってしまっていることがあります。シルク素材のネクタイには復元力があるため、一日吊るしておくだけでシワを消すことができる場合があります。この使い勝手の良さも、シルクタイの大きな魅力です。
ウール・カシミヤ
柔らかく暖かみがあり、秋冬に様々なアイテムの素材として大活躍してくれるのがウールとカシミヤ。ネクタイで使われる場合、当然ながら暖かさを体感することはありません。しかし、ウール生地の表情から、視覚的に暖かさを演出することができます。
生地の表面に光沢がないため、素材感が一番マッチするのはフランネルのスーツでしょう。
ビジネスでもカジュアルでも合わせやすいのはソリッドタイです。最近ではウール素材の小紋柄でもバリエーション豊富に販売されています。
カジュアルなコーデュロイやツイードのジャケットに合わせるならばウールタイがマストです。
ニット
正確には素材ではなく生地の呼び方です。
通常のネクタイ生地が布帛と呼ばれる「織り生地」であるのに対し、文字通り「編み生地」で作られたのがニットタイ。素材自体はシルクやウールの糸で編まれたものが主流です。
表面にはかなり立体感があり、ビジネススーツとのコーディネートには向きませんが、ビジネスカジュアルや、カジュアルコーデのドレスアップにはとても便利に使えるアイテムです。柄はソリッドとボーダー、ドットがほとんどで、大抵は通常のネクタイとは異なり、剣先が四角く仕上げられています。
リネン
リネンは通気性や吸水速乾性にすぐれ、夏に快適な素材としてシャツやスーツにも取り入れられています。また見た目にも爽やかなため、暑い夏のコーディネートにはぴったりです。
どちらかと言うとウールのスーツを着用するビジネスコーデよりもビジネスカジュアル~カジュアルコーデに向き。リネン100%の生地で作られることはありなく、ほとんどの場合はシルクとの混紡で使われます。リネン素材特有の糸の太さのムラがあるため、表面に凹凸感が出るのも特徴のひとつです。
暑い時期でもキリっと涼しげな着こなしをしたい方は、ぜひリネン素材のネクタイを選んでみてください。
コットン
リネン同様に軽く、通気性が良いのがコットンの特徴です。生地の表面がマットになるためシルクよりカジュアルな印象になります。
基本的には春夏向きのネクタイが作られますが、中には太番手の糸で織られた生地を使って作られたものもあり、重量感があるためこちらは秋冬向きになります。
ポリエステル
合成繊維で、シルクに似た光沢があります。
ポリエステルは軽くて丈夫なうえに、シルクに比べて価格がお手頃というメリットがあります。手入れが簡単で耐久性が高いため、ユニフォーム用のネクタイに多用されています。
あえてデメリットを挙げるとすれば発色がよく光沢がありすぎること。どうしてもカジュアルな印象は強めになります。
ネクタイをおしゃれに着こなすのに人気のグッズ
上手にグッズを取り入れることで、ネクタイのコーディネートにアクセントを加えたり、より洗練された印象を与えたりすることができます。
ポケットチーフ
ジャケットの胸ポケットに挿して使う布製のアクセサリー。ネクタイと合わせてコーディネートを楽しむことができます。
ネクタイと同じ色調や、あえて違う色を使うことでコントラストをつけるのがポイントです。折り方にも「TVフォールド」や「パフド」など、いくつかのバリエーションがあり、シーンに合わせて雰囲気や印象を調整することができるのもポイント。
カフリンクス
フォーマルなシャツの袖口に使うアクセサリー。シンプルなシルバー製のものから、指輪のように貝や石などあしらったデザイン性の高いものまで幅広く選べます。安価なものではゴムで作られたものも。
大きすぎたり色などが派手すぎたりすると嫌味な雰囲気になってしまうので、全体のコーディネートに馴染むデザインを意識して選ぶといいでしょう。シルバーのカフリンクスならばスーツやシャツとのバランスをあまり意識せず、さり気なく知的さを演出できます。
ネクタイと調和させる、という意味ではモチーフ部分の色をネクタイと同系色にすることが一番の近道です。
タイピン
ネクタイをシャツに固定するためのアクセサリー。実用的なだけでなく、胸元の視覚的なアクセントとしても機能します。ネクタイの結び目から約3分の1の位置に水平に留めるのが一般的。
シンプルなデザインのものはビジネスシーンで、装飾のあるものはカジュアルな場面で活躍してくれます。Vゾーンの中に存在するため、あまり派手すぎないデザインを選んで上品さを保つことを意識するといいでしょう。
特にフォーマル用は、前述したカフリンクスとセットで販売されているものも多く存在していますが、ビジネス用であれば別々に揃えてコーディネートを楽しんでみてください。
まとめ
ネクタイがいかに着用している人の雰囲気に影響するかをおわかりいただけましたか?
ネクタイはそれだけ存在感のあるアイテム。
つまり、ネクタイの幅や、色や柄を意識することで、自分の印象を演出できるということです。
自分用に選ぶ場合でも、プレゼントとして選ぶ場合でも、紹介したネクタイのブランドや色、素材、柄の雰囲気を考えるようにすると自然と選択肢が絞り込まれると思います。
ネクタイの選び方のポイントをしっかり押さえて自分の魅力を最大限に表現し、周りと差がつく大人のおしゃれを楽しんでくださいね。
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