皆さんは「アウトレット」店舗を利用したことがありますか?
ここ数年の間でもアウトレットモールと呼ばれる商業施設が増えたため、非常に身近な存在になりました。
一度や二度利用したことがあっても「実際のところ、アウトレットってよくわからないんだけど・・・」という方も多いのではないでしょうか。
今回はそんな方々向けに、アウトレットで販売されている商品の役割や売り手と買い手それぞれのメリット・デメリットなどを解説します。
アウトレットとは?
もともとアウトレット(Outlet)とは「出口、はけ口、放水口」を意味する言葉です。
買い手側である皆さんは「アウトレット=商品をお手頃価格で買える店舗」と認識していると思いますが、売り手側の視点からは「訳あり品や在庫品を消化するための場所」となります。
ほとんどの場合、衣類 / 服飾雑貨 / 家電のメーカーやブランド単位でアウトレット店舗が運営されています。
アウトレットと通常商品の違いは?
では、通常の店舗で販売されている商品とアウトレットで販売されている商品にはどのような違いがあるのでしょうか?
一般的には通常の店舗で売れ残ってしまった商品や、予想よりも売れ行きが悪いためできるだけ早く在庫を減らしたいという商品がアウトレットで販売されています。
このほか、着用に支障はないが完全な良品とは言えない商品が販売されることもあります。たとえばちょっとした糸のほつれや、よく見ないと気付かない程度のシミや汚れがある商品です。
一般的に使われている意味ではない “アウトレット” について
アウトレットと聞くとほとんどの方が「商品が安く買える店舗」を想像することでしょう。
しかし、日常的にアウトレットという言葉が別の意味で使われるケースがあります。一番わかりやすいところでは住宅用語としてのアウトレットです。
コンセントの接続口、テレビアンテナや電話線の接続口は総称してアウトレットと呼ばれています。自動車用語における「パワー・アウトレット」がコンセント付きの電圧変換機を差しているのも同じような用法です。
このほか、「メディア・アウトレット」がメディアの地方局を指している、などもあります。
商品がお得に買えるアウトレットモール一覧
アウトレット店舗が集合している商業施設をアウトレットモールと呼びます。
日本では1993年に初登場したとされていて、その後2000年にかけて相次いで大型アウトレットモールが開業しました。中には遊園地を併設した観光地型の地方立地モールもある一方、大都市のベッドタウンにもモールが存在しています。
代表的なアウトレットモールをご紹介しましょう。
・軽井沢・プリンスショッピングプラザ・・・1997年開業。日本におけるアウトレットモールの先駆け的な存在。
・御殿場プレミアム・アウトレット・・・富士山を望むことができる広大な立地に約300もの店舗を有する、国内最大面積のショッピングリゾート。
・三井アウトレットパーク幕張 / 三井アウトレットパーク多摩南大沢・・・どちらも駅前前立地ながら110~120店舗を有する利便性の高い施設。
物販のアウトレットが10店舗以上あるアウトレットモールは、上記を含めて全国に30以上存在しています。(2024年9月時点。独自調べ)
アウトレットのメリット・デメリット《店舗目線》
<メリット>
アウトレットでは季節外商品や旧商品、難あり商品やデッドストックなどを、ブランドや店舗のイメージを損なうことなく処分することができます。これが店舗(=メーカー)にとっての一番のメリットです。
また、アウトレットでは通常店舗で販売を計画している商品のテスト販売ができます。テスト販売の結果検証を活かして通常店舗用の商品開発をすることで、リスク回避と同時により大きな効果が期待できるのです。
さらに、通常店舗に来店されたことがない新規客へのアプローチ手段になり、新規顧客獲得への入り口になります。通常価格では購入しない顧客にブランド体験をしてもらうための導入口=アウトレットと位置付けることができます。
<デメリット>
値引き販売が基本のため、通常店舗よりも粗利益率が低くなるのは当然です。
そして、言ってみれば通常店舗で余った商品がアウトレットに入荷することになります。特に衣料品店の場合、その場にある商品でコーディネート販売しなくてはならないため、戦略的に1客当たりの購入点数を上げるためには相当の努力と工夫が求められます。
アウトレットのメリット・デメリット《お客様目線》
<メリット>
普段は「手が届かない」と感じているブランドや商品であってもお手頃価格で購入できます。
また、サンプル品など通常の店舗では販売されない珍しい商品に出会える可能性があり、宝探し的な感覚で買い物を楽しむことができます。
<デメリット>
特に衣料品の場合、必ずしも色やサイズがきちんと揃っているわけではないので、自分にピッタリのものが見つからない可能性があります。せっかく気に入ったデザインがあるにもかかわらず購入を諦めざるを得ない、という残念な結果になることがあります。
また、中には通常品の値引きではなくアウトレット専用に生産された商品もあります。これらは通常の商品よりも低コストで生産されているため、商品すべてが「お得」と言えない場合があるので注意が必要です。
これは運みたいなものですが、通常店舗の最終価格のほうがアウトレット価格よりも安価な場合もあります。いつどこで何を買うかによりますが、必ずしもアウトレット価格が最安値というわけではないことを覚えておくといいでしょう。
アウトレットモール特有の用語
アウトレットモールにおいて頻繁に使われる言葉があります。これらを頭に入れておくと、商品を選ぶ際の判断の目安になるでしょう。
1:キャリー品
シーズンや年度の持ち越し在庫商品のこと。たとえば今が秋だとすると、約6カ月前の春商品や、前年度の秋向けに生産された商品のことを指します。
アウトレットで販売されている商品のほとんどがキャリー品であると考えてもいいでしょう。
2:B級品
ちょっとしたキズや汚れなどがある商品を指し、同一規格品よりも割引率が大きくなっていることが多いです。
ただし、ほとんどの場合は着用に支障がない程度のダメージです。内容をよく確認して納得できれば、かなりお得なお買い物になるでしょう。
お客様から通常店舗に返品された商品をB級品として販売している場合もあります。
3:型落ち品
家電品などに多いのが型落ち品です。あるシリーズのデザインがリニューアルされたり、機能がバーションアップされたりした際の、ひとつ前の型を指します。
機能が変わらずにデザインのみがリニューアルされた場合は、値引き率の大きい型落ち品を狙ってみるのもいいでしょう。
4:廃番品
すでに生産を終了した型番の商品を指します。前述の型落ち品は類似した商品が引き続き生産されるのに対し、この廃番品は同じようなものが欲しくてももう手に入らない、ということが多いです。
通常店舗では販売終了となった廃番品であっても、アウトレットで販売されている可能性があります。それまで人気があったものならば「レアもの」になる可能性も・・・。
5:サンプル品
アパレルなどでは本生産に入る前に何度か試作を繰り返します。この試作品をサンプル品と呼びます。量産品とは縫製が異なる場合もあり、サンプル品が通常店舗で販売されることはまずありません。
中には試作途中で企画落ちとなって量産されずに終わるものもあります。このサンプル品は「幻の一品」であると考えることもできます。
6:アウトレット専用商品
前述した店舗目線のデメリットを解消する目的で企画・生産された商品です。アウトレット専用に生産することで利益率を確保したり、色やサイズをしっかり揃えて機会損失を軽減したり、販売戦略を組み立てやすくなります。
生産原価も安価であることが多いので、購入する側にとっては「普通の買い物」となってしまう可能性もあります。
7:リテールアウトレット
もともとは工場直販の「ファクトリーアウトレット」に対し、商品が販売店を経由しているという意味で使われていた言葉です。流通経路を考慮すると、現在ではファクトリーアウトレットとリテールアウトレットときっちり区分けするのは難しくなっています。
また、いわゆるセレクトショップなど品揃え型業態のアウトレットを指す場合もあります。
まとめ
いかがでしたか。
アウトレットについてのより深い理解のお役に立てたなら嬉しいです。アウトレットに対する印象が変わった方もいらっしゃるかもしれませんね。
メリットとデメリットの両方を理解して、上手にアウトレットを活用してください。
買い物だけではなく食事やレジャーも楽しめる総合エンターテインメント型のモールも開業していますので、まだ一度もアウトレットに行ったことがない方や、ショッピング以外の楽しみを求める方にもおすすめです。
©︎ Getty Images
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